美白成分には主に予防効果と漂白・還元効果の2種類ある

美白有効成分には様々なものがありますが、メラニンを作る過程を阻害する予防効果のあるものと、できてしまったシミを消す漂白・還元作用のあるものの主に2種類に分かれます。

美白成分と言われているもののほとんどが、予防効果のあるものです。以下に厚生労働省認可の美白成分を紹介します。

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美白成分の働き:予防1メラニンを作る酵素チロシナーゼの活性化を阻害する成分

●ビタミンC誘導体(水溶性) メラニンの生成を抑制する働きと、メラニン還元(シミを消す)作用の両方の作用を持つ。 

●ビタミンC誘導体(油溶性) 水溶性のビタミンC(アスコルビン酸)にイソパルミチン酸という脂肪酸を結合させて、水溶性だったビタミンCを脂溶性(油溶性)にしたビタミンC誘導体。水溶性ビタミンCに比べ、高い持続性と浸透力がある。

新型ビタミンC誘導体(APPS) ビタミンC(アスコルビン酸)にリン酸とパルミチン酸(脂肪酸の一種)を結合させることで水溶性と脂溶性の両方を持たせたビタミンC誘導体。美白の他、コラーゲン合成促進作用、皮脂分泌抑制作用、抗酸化作用、細胞の老化防止作用がある。通常のビタミンCに比べて肌への刺激が少ないのが特長

●アルブチン コケモモなどの植物に含まれている成分。皮膚に吸収されるとハイドロキノンになりメラニンを除去する作用もある(ハイドロキノン誘導体)。天然のアルブチンの他、ハイドロキノンに糖を結合させて合成で作られるものもあり、化粧品に配合されているのは合成アルブチンが多い。結合方法の違いにより「α-アルブチン」と、「β-アルブチン」があり、α-アルブチンにはβ-アルブチンの10倍の美白効果があるとされ、β-アルブチンの美白効果はハイドロキノンの100分の1程度とされる。ハイドロキノンに比べ安定している。 →アルブチン配合の化粧品へ

●コウジ酸 みそやしょうゆなどの麹菌由来の成分。酒などの醸造所で、麹を扱う杜氏の手が白く美しいことから発見された。
 コウジ酸配合 コスメデコルテ COSME DECORTE ホワイトロジストMX 20mL¥8,250 

●エラグ酸 ラズベリーやいちごなどのベリー類などに含まれる成分。副作用の懸念から高濃度に配合されている化粧品はない。海外ではサプリメントもある。

●ルシノール モミの木に含まれる成分を参考にポーラ化粧品が開発。ハイドロキノンと似た構造を持つ。チロシナーゼ活性阻害効果がアルブチンの数百倍と言われている。

●リノール酸 紅花油から抽出される成分。肝斑のケアにも有効。メラノサイトにとどまるよう加工されたものがサンスターのリノール酸S(リノレックS) →リノール酸S配合の化粧品

●マグノリグナン カネボウ開発。肝斑にも効果があるとされる。ただし白班症状で問題になった成分ロドデノールと一緒に配合されていることが多いので注意

●プラセンタエキス 動物の胎盤から抽出される成分。新陳代謝(ターンオーバー)や血行をよくするなど、美白の他にも様々な働きを持つ。

●油溶性甘草エキス(グラブリジン) 甘草から抽出される成分のうち油溶性のもの。甘草フラボノイドとも呼ばれる。消炎作用、抗酸化作用、紫外線吸収作用もあり、美白成分の中でもかんぱんにも効果がある。→油溶性甘草エキス配合の化粧品へ

●4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩) 資生堂が開発したサリチル酸誘導体。メラニン生成の抑制とともに加齢によるターンオーバーの低下や角化異常を改善しメラニンの排出を促す。

●ハイドロキノン チロシナーゼの働きを強力に抑制する。

美白成分の働き:予防2メラノサイトに指令を出す情報伝達物質の働きを阻害する成分

●カモミラET 花王開発 消炎作用もある。

●トラネキサム酸 抗炎症作用もあり、肌荒れにも効果がある。類似成分にTXC(トラネキサム酸セチル塩酸塩)やt-AMCHA(t-シクロアミノ酸誘導体)がある 。TXC(トラネキサム酸セチル塩酸塩)は「CHANEL(シャネル)」が開発した薬用美白成分。日本でも承認されている。t-AMCHA(t-シクロアミノ酸誘導体) は資生堂が開発した成分。これらはそれぞれ各メーカーの商品にしか配合されていない。効果はトラネキサム酸と同じ。
シャネル (CHANEL) ル ブラン クリーム TX <医薬部外品> 50mL¥13,650

美白成分の働き: メラニン還元作用(できてしまったシミを消す)

●ビタミンC誘導体 油溶性ビタミンC誘導体、新型ビタミンC誘導体(APPS) 自らが酸化してメラニンを還元することで、すでにできてしまったメラニン色素そのものを薄く淡くする。
効果の高い順に 新型ビタミンC誘導体(APPS) > 油溶性ビタミンC誘導体 > 水溶性ビタミンC誘導体となる。

●ハイドロキノン 自らが酸化してメラニンを還元することで、すでにできてしまったメラニン色素そのものを薄く淡色化する。メラノサイトの機能を低下させる働きがある。(高濃度で白班の危険性)

美白成分の働き: ターンオーバーを促進し、メラニンを排出する作用

●4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩) 資生堂が開発したサリチル酸誘導体。メラニン生成の抑制とともに加齢によるターンオーバーの低下や角化異常を改善しメラニンの排出を促す。
4MSK配合 HAKU メラノフォーカスEXマスク 30ml×6枚 ¥10,000

●エナジーシグナルAMP 大塚製薬が開発。ターンオーバーを活性化させてメラニン色素の排出を促す作用がある。